北海道 南空知 フリーフォト
NAGANUMA
6月のある日曜日。初夏の陽気に誘われて、家族でドライブに出かけた。岩見沢から国道234号を通って一路、長沼町を目指す。目的地は、4月にオープンしたばかりの「PIEME」。オーストラリアのソウルフードであるミートパイ専門店だ。栗沢町栗丘の交差点を左折し、丁字路交差点を右折して「きらら街道」に入る。あとは長沼町市街地まで10㌔ほど。青空の下、視界一杯に広がる田畑を分かつように真っ直ぐに伸びる街道を走る。
中心街の目抜き通り沿いに店舗はあった。中に入ると、オーストラリア出身のディアカ・カールさんと、岩見沢出身の中村直弘さんが迎えてくれた。共同経営者という2人は、現役の大工だという。エプロンを着て柔和な笑顔を浮かべる姿からは想像できない。
パイは看板メニューの「ミートパイ」をはじめ4種類。「オーストラリアでも『おいしい』と言ってもらえる本物の味にこだわっています」と中村さん。どれもおいしそうなので、4種類を1個ずつ購入して店を出た。
近くの公園で、買ったばかりのミートパイを皿の上に広げて早速、かぶりつく。パイは全粒粉に砕いたバターを入れた生地を焼き上げて作っており、風味があってサクサクの食感だ。
4種類のうち「ミートパイ」は道産ホルスタイン肉を使いブイヨンから手作り。「チーズミートパイ」はパイシートの代わりにマッシュポテトとチーズをのせて。「ベジパイ」と「スペシャルパイ」は旬の食材を用いるため1週間~1カ月周期で具材が変わり、この日は前者がアスパラとポーチドエッグ、後者には鶏肉とナスとシイタケをホワイトソースでからめた具材が入っていた。
のどかな田園地帯で食べるミートパイは格別だが、カールさんによると、オーストラリアではラグビーやクリケットを見ながらミートパイを食べる文化があるそう。「夏は青空の下で、おいしいミートパイを楽しんでほしい」と話す。
【お店情報】PIEME長沼町銀座北1丁目5-2営業時間 午前10時~午後4時定休日 火曜テイクアウト専門
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