8月 グルメマガジン

カフェ幹(もと)

YUNI

木造平屋の一軒家。開き戸を開けて中に入ると、一気にノスタルジックな世界へ引き込まれた。手前は板間、奥に畳敷きの部屋があり、アンティークな家具や装飾品が並ぶ。左手には陽光が降り注ぐ縁側も。
「古民家を改修したカフェが多いですが、うちは『ザ・古民家』といったところです」と、増田浩子店主は笑顔で話す。

家族3人で囲炉裏のある座卓に着き、手作りケーキの「トウキビカスタードチーズケーキ」「イチゴとイチジクのスフレケーキ」「春菊とほうれん草のショコラテリーヌ風」を注文した。
ケーキは全部で4種類あり、おおむね月に一度、総入れ替えするという。

和洋折衷を意識し、敷地内の農園でとれた旬の食材を使うのがこだわりという。今年から小麦粉を使用せず、グルテンフリーにしたのも特長。どれも甘さ控えめで優しい味わいだ。春菊とほうれん草のケーキには刻み昆布が入り、コツコツとした食感も楽しい。
「フキのパウンドケーキやヒジキのショコラを出したことも。わざわざ来てもらった以上、楽しんでもらいたくて」

建物は元々、大正末期に建築された農家の家という。それを増田さんの父が20年ほど前に購入。増田さんが受け継ぎ、2013年にカフェとしてオープンした。部屋は全部で6つあるが、仕切りは壁ではなく建具。「建具を全て取り外すと大広間になり、冠婚葬祭で使っていたそう。昔の農家の家はそうでした」。農業経験者でもある増田さんは語る。

店名の「幹」は、増田さんの母の名前から取った。「木のようにゆっくりと枝葉を付けて育ってほしいという願いを込めました」。
オープン後は特に宣伝もせず、口コミで根強いリピーターを獲得。ノスタルジックな空間に身を浸し、ゆっくりと過ごすお客さんが多いという。人に安らぎと癒しを与える大樹に育ちつつあるようだ。

< ぷらすわん >
縁側から広大な田園風景を眺めることができる。田畑の奥には、なだらかな山並みの夕張岳。季節によって表情を変える景色も売りだ。

< お店情報 >
カフェ幹(もと)
由仁町光栄298番地
営業時間 午前11時~午後4時
定休日 火~木曜(祝日は営業。11月ごろから4月上旬ごろまでは休業)
座席数 コロナ感染防止のため1組3人以内で、2人席が4組分、3人席が1組分。10人を超える場合は断る場合もある
℡090-8372-5949

Instagram https://www.instagram.com/hirokoxmoto/
ブログ http://rokoroko117.blog.fc2.com/ 

ライター : 末永 直樹

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