6月 グルメマガジン

カフェアルテ

BIBAI

新緑の季節を迎えたある日の夕。学校のグラウンドほどの「音の広場」を、格子窓から望むテーブル席に着いた。しんと静まり返る店内に、野鳥のさえずりがかすかに響く。BGMはあえて使わない。耳をそばだてれば、葉ずれの音まで聞こえてきそうだ。「冬は薪ストーブのはぜる音がたまにするんですよ」。スタッフの影山宏明さんが、笑顔で教えてくれた。

ゆったりとした時間が流れる中、コーヒーの香りが漂ってきた。注文したガトーショコラが届く。濃厚でほろ苦い。手作りケーキはほかにパウンドケーキとチーズケーキがある。どれも素朴な味わいという。スイーツを堪能しながら、窓から斜めに差し込む日差しを眺めていると、テラス席から女性の笑い声がした。アルテピアッツァ美唄を散策してきた人たちに違いない。

カフェアルテは、約7万㎡と広大な安田侃彫刻美術館アルテピアッツァ美唄の敷地の一角に、2007年にオープンした。敷地内には、美唄出身で世界的な彫刻家、安田侃の作品が約40点展示されている。「美術館の中のほっと一息つけるカフェ」が、オープン当初からのコンセプト。当初はドリンクとデザートだけだったが、18年から地元パン店の協力で軽食を始めた。
「ランチを挟んで1日中、散策を楽しめるようになりました」と影山さんは語る。

カフェアルテから見える広場は、四季を通して、さまざまな表情を見せる。夏には、音の広場でコンサートが開かれることも。喧騒と静寂、そのあわいにある多彩な音が、カフェの穏やかな空間を満たす。影山さんは「アルテピアッツァ美唄で作品を楽しんでもらい、一息つける場所がカフェアルテ。外と一体化したカフェを楽しんでほしい」と話す。

< ぷらすわん >
隣室の工房では、イタリア・カッラーラ産の白大理石などをノミやゲンノウなどで彫る「こころを彫る授業が月に1回のペースで行われている。目に見えない自分のこころを「かたち」として表現することを目指している。

※緊急事態宣言が発令中のため、6月20日まで休業しています。

< お店情報 >
カフェアルテ
美唄市落合町栄町アルテピアッツァ美唄内
営業時間 午前10時~午後5時(11月中旬~3月上旬の平日は午後4時まで)
定休日 火曜、祝日の翌日、12月31日~1月3日
座席数 20席(夏季はテラス席18席も)
℡ 0126-63-1010

ライター : 末永 直樹

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