「このとろみも夕張カレーそばの特徴なんですよ」。昭和4年創業の老舗「吉野家」の4代目店主、高橋一太さんが教えてくれた。
つゆは和風だしベースのたれを使った自家製。カレー粉は炒って使うという。つゆの表面には生クリームが筋状の円をつくり、工夫がうかがえた。
そばは手打ちの真っ白い更科そばで、箸で持ち上げると黒いつゆとのコントラストが鮮やか。ほどよい硬さでほのかにそばの風味が感じられ、スパイシーでコクのあるつゆとの相性も抜群だ。
具材は、これも夕張カレーそばを特徴づける豚バラ肉と玉ねぎのみと至ってシンプル。だが、そこには老舗のこだわりがある。「甘エビを素揚げして、エビのうま味を凝縮させた『エビ油』で炒めています。味にエビ独特の風味と深みが出るんです」と高橋さん。
最後は別途注文したライスを、残ったつゆに入れて「カレーライス」で。最後のひと匙まで熱々で楽しめた。