同店は1982年にファミリーレストラン「北喜常」として、先代のオーナーが現在地にオープン。建物は今と異なり、茅葺きで民芸調のお店だった。86年に寺地さんが引き継ぐと、メニューの豊富さもあって経営は順調に推移。ところが94年に火事で店舗が全焼してしまう。「住居も兼ねていたので呆然としました」
ただでは起きない。球に近い正多面体の「フラードーム」を独学で勉強し、寺地さん自ら設計、建築して火事から10カ月後に再オープンを果たした。「フラードームは三角形の化け物。下から組み立てていきますが、てっぺんで合わないと、もう一度下からやり直し。苦労しましたね」と振り返る。